社交ダンスとチラシ
                                          野口孝子       
 昨年の1月、映画「シャル・ウイ・ダンス」の主人公ではないけれど、バスの中から何時も見ていた
「ダンス教室」への階段を恐る恐る登って行きました。中へ入ると意外に質素な教室で、レッスンを受
けている人達も50〜60代の普通の主婦、中には70代の方もちらほら見えて、想像していたダンス
の世界とは全く違っていてビックリ致しました。
 そこで私も安心して直ぐに仲間入りさせて頂き、楽しくダンスを習っていましたが、昨年の7月末に
夏風邪を引き、胸のレントゲンで肺がんの疑いがあるとがんセンターに入院の上、肺の手術を受けて、
ダンスどころでは有りませんでしたが、幸い組織検査で癌では無い事がわかり、お陰様で体調も回復し、
11月には諦めていたダンスも又出来るようになり本当にラッキーでした。
 でも見た目に優雅なダンスも踊るのは大変な労力が要り、30分のレッスンでたっぷり汗をかきます。
教える先生も大変でしょう。老化現象の哀しさ!64歳の私は身体も頭も固くなり、簡単なステップを
覚えるのが一苦労です。それでも優しい先生のご指導のお陰で、年に1〜2回は初級ルンバ、タンゴ、
ワルツ等のメダルテストを受けながら アスレチックのつもりで一生懸命頑張っています。


 先日、城南文化サークルの受付の女の方が秋の新会員募集のチラシに入れるお稽古風景の写真を
撮りたいとデジタルカメラで写していましたが、それから数日後、その人から「野口さん、顔が出てもいい
ですか?」と電話があり、私も調子よく「ハイ、いいですよ〜」と気軽にお返事していました。
 8月末に知人から「今日の新聞のチラシに貴女が大きく出ているよ!」とメールが来てビックリ!急いで
ゴミ箱に捨てていた新聞のチラシを取り出し捜してみましたが 我が家の朝日新聞にはそんなチラシは
入っていませんでした。もしや西日本新聞に入っているのではと思って、早速、病院の夫に電話したら、
「今朝、婦長がこれは誰ですか?とにこにこしながらチラシを持って来たので、自宅に持って帰っているよ」
との返事。夫はわざわざ自宅に持って帰ってくれたようでしたが、朝から外出していた私はそのことに気が
付かなくて電話したようで・・・・夫の優しさにも改めて感謝しました。

 チラシを1目見た私もあまりに大きい自分の姿に唖然としました。「ボロボロの家でも写真では豪邸に見える
ものヨ」と冷やかす人もいましたが、しかしよく見ると画面の私は楽しそうに微笑んで踊っているので・・・・。
もしこれを見てダンスを始める人がいたら私もモデルになった甲斐があるかな〜と思って、新入会員の増える
のを密かに楽しみにしています。